KANA KAWANISHI GALLERYこけら落とし展「記録と記憶 | transcripts / memories」に田附勝さんとのコラボレーション作品展示いたします。

KANA KAWANISHI GALLERYこけら落とし展「記録と記憶 | transcripts / memories」に田附勝さんとのコラボレーション作品展示いたします。
27日のレセプションに参加致します。


GROUP EXHIBITION  「記録と記憶|transcripts/memories」

■参加作家   
新津保建秀 | 田附勝×KYOTARO|吉楽洋平|安瀬英雄 |藤崎了一
■会  場    KANA KAWANISHI GALLERY 東京都港区南麻布3-9-11
■会 期 2015年 03月27日(金)〜 05月02日(土) 12:00-19:00 | 日・月・祝祭日休廊

(会期の方一週間延長致しました。)

http://www.kanakawanishi.com



KANA KAWANISHI GALLERYは、2015年3月27日(金曜日)よりこけら落とし展「記録と記憶 | transcripts / memories」を開催いたします。本展覧会では、写真のドキュメント性(記録性)及び、人の記憶への作用性という2つの特性に焦点を当てながら、写真を表現メディウムに起用するアーティスト5組によるグループショウ形式の展示を行ないます。

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 新津保建秀は、近年取り組んでいる自身と他者の行為の痕跡を記録した連作から選んだ複数の画像より展示を構成致します。  池上高志氏(複雑系科学の研究者・東京大学教授)が黒板に走り書きしたドローイングを記録した写真作品、2011年の震災直後から3年間に渡り雑誌『思想地図β』(ゲンロン社刊)との取材過程で撮影された、数千枚の画像データを4分間に圧縮した映像作品、そして福島第一原発敷地内の監視カメラ設置場所を回避して撮影された作品を展示致します。個々のイメージは相互に関連しあい、記憶の多層性とそこに顕在化する視線への意識を鑑賞者に促します。

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田附勝×KYOTAROは、木村伊兵衛写真賞受賞作家である田附勝と、鉛筆で独自の世界観を描き出すドローイング・アーティストであるKYOTAROの二人から成るコラボレーションユニット。まっすぐに被写体と対峙し、そこから霊的な含みまでもを映し出す田附勝の写真作品の中でも、ひときわ枠外に香るものが色濃くみえるものをKYOTAROが選び、そのみえるものを鉛筆で描き足すという制作方法が取られています。   《シカ神》は、岩手県に江戸時代より伝わるとされる「鹿踊​(ししおどり)​」 の装束をモチーフとした作品。その装束には、神の使いとして古くから信仰の対象とされてきた鹿に対する代々の祈りと共に、 祭事における衣装/道具としての時間も織り込まれており、暮らしのなかでの「信仰」と「営み」の両面の記憶を引き継ぐものとして示されています。

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吉楽洋平の「fireworks」は、2011年より取り組んでいる花火遊びの場面を撮りためたシリーズ。鑑賞者の過去の記憶に働きかけ、夏の匂いが立ち上がってくるかのような作品です。

構図や距離感上の、例えば撮影時間が夜であることから場所性が非限定的であったり、距離感が保たれていることから被写体の表情がみえず各々の記憶と重ねやすい点などが、記憶への働きかけに大きく寄与している側面もありながら、やはり「花火遊び」という主題そのものが、多くの日本人が共通して持つ過去の記憶としてあることが前提と言えます。


火の点いている時間の美しさと短さ、夏休みという非日常的な日々、家族や仲間たちで集う楽しさと高揚感、終わりのときが訪れるという儚さ等がそこには含まれています。

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安瀬英雄の新作「Stripe」シリーズは、副題「50Hz」と呼ばれる作品群として、蛍光灯の光にデジタルカメラを向けたときに縦縞のストライプパターンが生じるフリッカーという現象を意図的に撮りためたものです。

商用電源周波数が50Hzである地域(つまり東京電力、北海道電力、東北電力の送電地域である北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、山梨県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、長野県の一部地域、静岡県の一部地域)で暮らす作者が撮影したものであり、制作が開始された2014年4月4日以来、日々twitterのアカウントに作品がアップロードされ続けています。

福島第一原子力発電所の事故以降も変わらずに電力供給される日々のなか、「東京電力の作り出す光」という端的な視点のみで淡々と切り取られ続けている「光の記録」と言えます。

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藤崎了一の「colored oil」シリーズは、作家の身近にあるものを混ぜ合わせることで起きる色調の変化の様子を、記録した写真作品です。

それぞれ身近に生活のなかに在りながらも、作家が意図しなければ決して自然発生的には混ざり合うことの無い物質たちは、「意図したもの」と「意図を超えたもの」の狭間を刻一刻と変容していく存在となります。純粋に執拗に、もっとも「意図通り」に「意図を超えた」狭間の瞬間に向き合った記録写真作品と言えます。

1975年大阪府生まれの藤崎了一は、京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。京都を拠点にSANDWICHメンバーとして名和晃平氏の制作初期から一貫して技術責任者として携わりながら、自身の創作活動を2015年より本格化。2015年2月CC4441にて初個展。


「記録」と「記憶」は一見すると似ているようでいて、「記録」が科学的であるのに対し、「記憶」は生命体ゆえの有機的な事象である点が決定的に異なります。   今や数多ある芸術メディウムのなかでも写真の際立つ特性といえば、唯一その表象が科学の貢献に頼っていることと言えます。それ故に写真の独自性である客観性が得られているのだと言及したのはポール・ストランドですが、写真における「記録」特性や「記憶」への作用性は、このような客観性により獲得され得るのかも知れません。   五者五様の写真表現による「記録」や「記憶」にまつわる表現を一同に介した本展覧会、是非ともご期待下さい。




(昨年VICE Japan主催のディーゼルギャラリーでの展覧会のあの作品です皆様お近くで是非観て頂きたく思っております!)

 

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